【講演報告】1月29日(日)和歌山県有田川町で講演しました

 1月29日(日)和歌山県有田川町で開催された自然エネルギーで地域を興す「有田川エコフェスタ」で副理事長の野村が講演しました。

 有田川町は、ゴミ減量・分別徹底(収集業務のマイナス入札化)や県営のダムの維持用水を利用した町営の水力発電所の建設・運営やその収益を活用した基金により太陽光発電や太陽熱利用の設置補助、環境教育や公共施設への再エネ設備導入などを進めておられます。

 これらの取り組みは「第4回環境省グッドライフアワード」実行委員会特別賞」や新エネルギー財団「新エネ大賞」資源エネルギー庁長官賞を受賞されました。

 Eco_Festa_20170129

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 有田川エコフェスタは有田川町地域交流センターALECで開かれ、会場は町長をはじめ80人をこえる参加者で立ち見もでるなど大盛況でした。

 講演では、地域再生機構が関わらせていただいたいる郡上市石徹白の小水力発電事業を事例に、近年の地域づくりの背景、持続可能な地域づくりのヒントとなるお話をさせていただきました。その後、参加者からの質問や意見を基に、和歌山大学の中島先生の進行で、和歌山大学の湯崎先生、有田川町役場の上野山さん、野村でトークセッションが行われました。

 トークセッションの内容は、中島先生がFacebookでまとめていただいています。

以下中島敦司Facebookより抜粋

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◆『持続的な成功事例に共通しているポイント』

1)小さな成功体験から未来への期待を構想する

2)先進事例であっても,長い時間が必要だったという事実

  イキナリは無い → 地域の事情や時間軸を守ることが支持を得るポイント(お作法)

3)先人達の残してくれた「資産(歴史,産業,組織・・・・生きる力)」を上手に使うことの確からしさ

4)単発のパーツではなく,やりたい仕事を地区内でつなぐこと

5)宣伝(イベント)で成功をつかんでいない,地味で地道な行動と
  高いクオリティで成功をつかんでいる(内部,外部)

6)地域のことを良く知っている

7)投資(金,時間)を自分でしている(借金してでも)

8)金は出すが口は出さない長老の存在

 

◆『持続的な成功事例から学べること』

1)自分達の手で自分達の暮らしをつくる = 自治
  → まちづくりの本質(まちづくりは,昔からやってきているもの

  → 先人達へのリスペクトを忘れるな)

2)自立(独立)から自律(意志定権の掌握)へ
  → そのためには自らが投資(金,時間・・・・)
    権利の半分以上を持つこと(株主総会のイメージ)

3)自らの決まりで生きる

4)自分でできることは自分でする(資金集めも勉強も)

5)住民のやりたいことを支援する行政の態度
  多くの行政は住民を支援したいと考えているもの
  住民は行政が支援しやすい具体的な計画と自らが主体者であることを宣言すること(能動的態度には支援者が現れる)

6)平等ということの持つ意味(全員参加は自律の条件)
  → 利益の分配,リスクも応分

 

◆『まちづくりの落とし穴』

1)成功事例から学べることは,初期段階では成功事例の中での「態度」と「方針」であり,「手法」に着目するとたいていは
  失敗する(石徹白では,たまたま小水力だっただけのこと)

2)にも関わらず,「手法」をネタに持ってくる評論家や大学教授

3)うまい話に聞こえるが,実は,うまい話じゃないことがある(評論家や大学教授の話のほとんどが単なる扇動)

4)何かのための手段としてのカフェ,六次産業,観光,リノベというのは有りだが,目的や目標としてのカフェ,六次産業,観光,リノベで成功した事例は聞かない

(1)石徹白のカフェは視察見学者へのホスピタリティーの結果

(2)石徹白の六次産業化は農産物の廃棄を無くすための必然行為
   付加価値とかのスケベ心は消費者に見抜かれる  →1回しか買ってもらえない

(3)観光のネタも暮らし(事実)を見せるだけで成立
   観光ネタを宣伝しなくても先に高い評価を得ているなら黙っていても客は来る
   評論家や機関による評価や認定の効果は持続しない つまり一時的な幻
   モニターツアーに「しか」参加しない客を集めても無意味

5)独り占めや妬きもちをやめれば,自分の役割も明確になる
  → 仕事の自発的な創出

6)ロードマップを他人(大学,専門家,評論家,行政)任せに
  することの愚かさ

7)イニシャルコストのみならずランニングコストまでを補助金
  頼りとしてしまって金切れ目が縁の切れ目

8)投資(金,時間)を自分でしないと意志決定ができない

9)自画自賛の態度(これは多い)

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