根本問題探求事業
 

 現在問題となっている多くの社会課題、例えば格差社会、環境破壊、郡部の過疎等々は、言わば「表層的問題」である。こうした表層問題を表層的に解決できれば、換言すれば、技術的解決が可能であれば問題ない。しかし、技術的解決では済まされない状況がそこここに発生しており、そうした表層問題の下部にある中層問題の究明、言わば問題の構造的理解が必要となる。 例えば、格差社会は先進諸国を苦しめている共通課題だが、その背後にはグローバリズムが存在する。ここで、格差社会が表層問題、そしてその中層構造としてグローバリズムを想定している(実態はもっと複雑だが)。

 ではグローバリズムを解決すれば、格差社会はなくなるか。もし無くなるとして、ではどのようにグローバリズムリズムを阻止できるか。 さらに、グローバリズムという課題の根底にはどのような問題が潜んでいるか。そこには、近代社会そのものの重要な構成要素である「国民国家」が浮かび上がる。これは言わば格差社会の中層下部の構造である。そしてさらに、西欧の近代という本質的問題まで遡る事が可能である。 このように、社会に表出した表層課題を構造的に理解し、より根本的な改革(治癒)の方法を探ろうという企てが「根本問題探求」である。